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いきいき365日

おそるべし糖尿病予備群 理事長 池田俊夫 医師

2012年10月23日

 病院・診療所で診療をしていると気になることがあります。受診された方の中に70才前後なのに多数の生活習慣病を併せ持ち複数の臓器障害を生じている方がよく見受けられることです。やがて数年で悪化し入院となる方が出てきます。一方90才でも加齢による動脈硬化はあるものの極端に健康を損なっていない方もいます。その違いの鍵を糖尿病予備群(以下予備群)が握っているのです。

1)予備群はなぜ怖い?
 その特徴は食後の高血糖が続くことでインスリン過分泌が生じ脂質代謝などが障害されます。やがて肥満・糖尿病・高脂血症・内臓脂肪の増加・高血圧・高尿酸血症が起きやすくなり体の各部位での動脈硬化が進みます。その結果脳梗塞・心筋梗塞・腎障害・下肢動脈硬化症・痛風などが生じやすくなります。あたかも病気同士が手をたずさえ協力し合って体を攻撃するようです。生活習慣病マーチともいえます。

2)予備群を見つけるには?
 まず肥満・尿糖陽性・内臓脂肪増加・血中中性脂肪やLDLコレステロール増加などを手掛かりにします。さらに空腹時血糖は正常でも食後血糖の異常な上昇を確かめます。ブドウ糖負荷テストは更に厳密です。食後1時間値180mg以上または2時間以降140mg以上が食後高血糖で予備群といえます。こうした方たちは食後のインスリンが急上昇し臓器障害の危険度が増します。

3)様々なチェックポイントと検査は?
 体の各部位での動脈硬化をチェックする方法はたくさんあります。それが発生の予防・進行の防止に役立ちます。
 CT・MRI・眼底・頚動脈エコー・心エコー・心電図・腹部エコー・胸部腹部レントゲン・尿蛋白・血圧脈波検査・血液(コレステロール・中性脂肪・クレアチニン・尿素窒素その他)などの検査が有効です。

4)予防は?
 適切な食事摂取・毎日の運動・アルコール減量・禁煙などはもちろんのことですが、それは皆さんの健康づくり活動に期待します。ここでは予防の目的についてふれます。
 その目的は糖尿病・高血圧・動脈硬化・梗塞・主要臓器の障害を防ぐことはもちろんですが各種の癌・認知症・免疫低下による感染症・ウイルス性肝炎の悪化・胆石・膵炎・逆流性食道炎・睡眠障害その他多くの病気の予防や悪化防止に役立つことが最近明らかになっています。

5)おわりに
 脳梗塞・心筋梗塞で入院した人をみるとその3割が以前から糖尿病にかかっていたというデータがあります。更に残りの4割が入院後初めて糖尿病と糖尿病予備群であったことが診断されており全く関係なかったのは3割との結果がでています。このことは糖尿病とその予備群の怖さをはっきりと示しています。
 健康診断、健康チェックなどで予備群の可能性があると思われた方は、きちんとした検査を受けながら健康づくり活動に日々取り組みましょう。