1. TOP
  2. いきいき365日
365 イメージ写真

いきいき365日

冬に急増する血管の病気 脳梗塞予防の10ヵ条

2012年12月05日


 脳卒中という言葉をよく耳にします。卒中の『卒』とは『突然』という意味で、脳卒中とは、脳出血、脳梗塞を含めたものをいいます。脳卒中は、とても多い病気で平成20年の厚生省の発表によると133万9千人の患者さんがいて、毎年25万人が新たに発症していると推測されています。そして、がん、心臓病に次いで日本における死因の第3位になっていますし、寝たきりになる原因の3割近くが脳卒中です。高齢者の激増や生活習慣病の増加で、2020年には300万人を超すことが予想されています。脳梗塞になった芸能人は、2003年、2011年(再発)に歌手の西城秀樹さん、2004年に長島茂雄読売ジャイアンツ終身名誉監督などが有名です。

どんな症状?
 症状が現れやすいのは、顔、腕、言葉です。片方の顔が動かなくなったり、片方だけの力が入らなくなったり、しびれたり、呂律が回らなくなったり、また、ものが二重に見えたり、視野がかけたり、ふらついたり、他人のいう言葉が理解できなかったり、言葉が出てこなかったり、意識障害などでも起こります。


どんなタイプ?
 大きく3つにわかれます。
1 脳の細い血管がつまって起こる『ラクナ(小さい)梗塞(小梗塞)』(図1)原因は主に高血圧症です。
2 脳の太い血管に起こった動脈硬化(アテローム)が原因で動脈がつまる『アテローム血栓性脳梗塞(中梗塞)』(図2)動脈硬化を起こす高血圧、高脂血症、糖尿病などが主因です。

3 心臓にできた血の塊が流れてきて脳の血管をふさぐ『心原性脳塞栓(大梗塞)』(図3)これは症状がでる時間がはっきりわかり、まさに突然発症で、これが最も重症です。原因として最も多いのは、不整脈の一つである心房細動で、長嶋茂雄氏を襲ったのもこのタイプです。
 また、脳梗塞と同じ症状が短時間(通常は10分以内)続いて自然になくなる一過性脳虚血発作というものもあります。これは脳梗塞の前兆で近いうちに脳梗塞になることが多いので、症状がなくなったから大丈夫とそのままにしないで下さい。


治療方法は?
1 急性期症状が起こってから早く、点滴治療とリハビリテーションを行うことが大事です。日本では2005年からt│PA(血栓溶解)療法といって、脳の血管が詰まったところを溶かす点滴の薬もあります。
 でも、症状が出てから3時間以内(最近4・5時間以内と長くなりました)に使わないといけないのでこの治療は時間との闘いです。この時期を超えたら、血液の固まりを抑える、脳のむくみを抑える、脳を保護する薬などの点滴を行います。またリハビリは、後遺症を少しでも軽くして日常生活に戻るためになるべく早い時期から体を動かす訓練をします。
2 慢性期
 急性の時期を過ぎると内服薬の治療になります。これは脳梗塞を再度起こしにくくする再発予防という考えなので、内服薬を飲んでいても変わらないからと中止しないでほしいと思います。


予防するには?
 生活習慣が大切です。具体的には脳梗塞予防の10カ条があります。
 1 高血圧、2 糖尿病、3 不整脈、4 高コレステロールは病院を受診して管理しましょう。そして、5 タバコをやめる、6 アルコールをひかえて(大酒を飲まないで、1日に日本酒なら1合、ビールなら中ビン1本以下が目安)、7 塩分はほどほどにして、8 運動をして、9 太りすぎないようにしましょう。そして、10 症状があればすぐに病院にかかりましょう。心房細動(不整脈の一種)は高齢者に多く、これがあると脳梗塞になりやすいことが分かっているので心電図で確認しましょう。
 また、最近は頸動脈が生活習慣病などで狭くなる状態(頸動脈狭窄症)に対しても治療を行うことができるようになっています。たとえ症状がなくても血液をサラサラにする薬を飲んだり、狭窄率が70%を超える方は、動脈を剥離したり血管の中にステントという筒状の金属を留置することも行っており、頸動脈エコー(超音波)をすることで評価します。
冬と夏は血管の病気である心筋梗塞や脳卒中が増える時期なので、十分注意をしてください。そして、脳卒中を疑ったら迷わず救急車を呼んでください。これが鉄則になります。早ければ早いほど、回復が望めますから。


Posted by admin at 19:16 | Trackback (0)