1. TOP
  2. いきいき365日
看護部 イメージ写真

いきいき365日


風邪の時こそ漢方薬

風邪の時こそ漢方薬 イメージ写真


2013年12月 1日

 かぜやインフルエンザの流行る季節です。皆さんは、うがい、手洗いやインフルエンザワクチンを打って、かぜの予防に備えていることでしょう。今回は、かぜを引いた時の対処法のひとつとしての漢方薬をお話します。

 かぜ症候群とは、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、痰に加え、頭痛、発熱、全身倦怠感、食欲不振などの全身症状、時におう吐や下痢などの胃腸症状を伴い、一般的病名は、急性上気道炎を指します。外来診療ガイドライン2010では、処方例として、「PL顆粒1日3g分3 またはカロナール(200)6錠 分3 7%イソジンガーグル1日数回うがい」を挙げています。あとは、咳止めや痰切り薬でしょうか。PLに限らず、すべての西洋薬は、かぜ症状の緩和に効くものの、かぜ自体を治すわけでは、ありません。

改善度・有効性が高い漢方薬
 2010年にかぜ症候群に対する漢方薬の有効性の検討のエビデンスレポートが日本東洋医学会でありました。3才以上のかぜ症候群171名に、88名にPL顆粒を投与、83名にツムラ麻黄附子細辛湯が投与されました。PL投与群では60.3%が改善し、漢方投与群では81.9%が改善しました。改善例の中で、解熱までの日数は、PL群が2.8日を要し、漢方群では1.5日で解熱しました。咳、痰の消失は、PL群が3.5日を要し、漢方群では2.5日でした。改善度も、症状の軽減度についても、漢方薬の有効性を示唆していました。

下痢おう吐には即効性を実感
 麻黄附子細辛湯の他に、かぜ症候群に効く医療用漢方薬は、私が知っているだけでも、10種類以上あります。体質や症状に応じて、漢方薬をうまく効かすことが出来れば、ビックリする程すぐかぜが治ります。冷え症などの体質改善のための漢方薬は、長期の服用が必要ですが、かぜに効く漢方薬は、速効性を実感出来ます。
 例えば、のどからやられる人には、桔梗湯です。熱感のあるのど痛には、桔梗石膏です。のどの奥までやられた人には、小柴胡湯加桔梗石膏です。
 くしゃみ、鼻水、鼻かぜの場合、寒気のある時は麻黄附子細辛湯。熱感のある時は桂麻各半湯です。
 頭痛からくるかぜには、川きゅう茶調散です。
 単に発熱だけの場合、寒気がある時は、麻黄附子細辛湯。胃弱の人は、桂枝湯。熱感がある時は、桂麻各半湯です。
 咳だけヒドイという人もいますね。こんな時、五虎湯と麦門冬湯を合法します。
 咳もひどいが痰もヒドイ人は、五虎湯と二陳湯を合法します。
 だらだら長引いたかぜには、症状が色々あれば、参蘇飲。倦怠感が主体なら、補中益気湯です。
 インフルエンザのような本格的なかぜには、大青竜湯。胃腸症状を伴えば、柴葛解肌湯。
 ノロウイルスの時のようなヒドイ下痢、おう吐には、西洋薬は効きませんが、五苓散と桂枝人参湯を合法すれば、速やかに軽快した人が多いです。
 以上、かぜに効く漢方薬を挙げてみました。これらを自由自在に組み合わせます。

かぜ漢方処方 イメージ写真


あなたにピッタリの漢方薬を処方
 そう言えば、葛根湯が出ませんでした。葛根湯の効く人は、急な発熱で、寒気があり、肩や首がこってまだ、汗をかいていない状態で、胃腸が丈夫な人です。私のところには、かぜをこじらせてから来る人が多いので、葛根湯を処方する機会が少ないのです。
 しかし、どんな漢方薬を服用しても、ゼンゼン効果の出ない人や漢方薬で有害作用が出てしまう人、どうしても味がまずくて漢方薬が服用出来ない人もいます。
 漢方薬は、決して万能ではありませんが、かぜを漢方薬で治してみたい方は一度、私の外来を受診してみて下さい。あなたにピッタリの漢方薬を処方しましょう。

いずみ診療所     
木曜内科外来担当
伴 良久