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いきいき365日


日本国憲法の役割について

稲生弁護士 イメージ写真


2014年11月01日
 機関紙「医療生協かながわ」の2014年11月に載った記事を掲載しました。

問 日本国憲法の役割について

 私の孫(小学校6年生)に、次の質問をしました。そして、回答があるごとに次の質問をして回答をえました。

1.次の(ア) (イ)にあてはまる言葉は、 (1)(2)のうちどちらでしょうか?
 (ア)は、憲法を守らなければなりません。もしも守らなければ(イ)は憲法を守らせなければなりません。
  (1)ア 国民  イ 政府
  (2)ア 政府  イ 国民
 《孫の答》(1)

2.(1)と答えた理由を書いて下さい。
 《孫の答》
 政府は、国民よりも上だから守らせるのは政府でなければいけないから。

3.「国民よりも上」とはどういう意味ですか?
 《孫の答》
 国民よりもえらいという意味

4.「国民よりもえらい」とはどういうことですか?
 《孫の答》国民より権力があるということ。
(この後、孫は、国民は権力のある人にしたがわなければならないという回答をしました)

 実は、北海道大学法学部に入学した学生の約8割は、孫と同じ回答をしたそうです。もちろん間違いです。

 小学生のころから学校では公民や社会科の中で憲法を学習します。子ども達が上記のような回答をするということは、一番大切な国のあり方を定めた基本法である憲法を学習していないということでしょう。この教育の実態は恐ろしいことです。

 民主主義、立憲主義は、我が国の基本的なあり方です。この国のあり方は最高法規たる憲法に定められています。基本的人権は、憲法以前に人間が人間として当然に持つ権利であり、人類が長い歴史を経て勝ち取ってきました。基本的人権を守るために、国のあり方を最終的に決める権限は国民にあります (国民主権)。その下で、天皇はじめ、国民から選挙で選ばれた国会議員は勿論、国会で選ばれた内閣総理大臣、更に国務大臣ほか、裁判官などの公務員は、この国の最高法規である憲法を守らなければなりません(立憲主義)。彼らが守らないときは主権者たる国民が守らせなければなりません。

 今、秘密保護法制定や集団的自衛権の閣議決定など、政府の行為によって、歴史が逆戻りしかけています。そうさせないように、私たち国民は自分自身の子どもや孫たちの教育を含めて最善の努力をすることが求められています。