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いきいき365日


10月はおなかを大切に

藤沢診療所 野本所長 イメージ写真


2015年10月  機関紙「医療生協かながわ」より記事を掲載しました。


 天高く馬肥ゆる秋、10月は、スポーツにしたしむ体育の日がやってきます。以前は10月10日が体育の日でしたが、 今は 「ハッピーマンデー制度」の適用により10月の第2月曜日となり、今年は10月12日がその日となります。由来は、1964年の東京オリンピックの開会式が行われた10月10日にあります。

 さて10月12日はちょっとおっかない日でもあります。戦争を推進する大政翼賛会が発足(1940) 、反戦論者の浅沼稲次郎社会党委員長が刺殺された日(1960) など考えると、今の「安全保障関連法案」の行きつく先は本当に怖い肌寒い話になりそうです。
 その寒さを吹き飛ばす運動会など盛んになったすきに病気が出てきます。それは 「食中毒」 です。 お弁当、打ち上げの宴会の機会にサルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌などが原因の食中毒が増えてきます。8月、9月に次いで意外なことに食中毒は10月が多いです。毒キノコも登場します。

 9月からの花粉症。ブタクサ、ヨモギなどの花粉が 10月にも見られ、そのほか秋の天候不順が喘息発作を引き起こします。 「芸術の秋」とは裏腹に切ない音楽が心に染み、11月の寂しさを感じ始める10月下旬ごろから精神はうつ気分に陥りやすくなります。


おなかを温めること

 代表的な10月の病気対応をお話しします。まずは、食べ物を吐いたとき、おなかを下したときの家庭での対応です。以前にも書きましたが、一番には、おなかを温めてください。容器に 42、43度、やや熱めのお風呂のお湯程にして、そのお湯を容器に入れて30分間服の上からおなかにあてがい、毛布などで覆ってお湯が冷えないようにしてください。多少の痛みはこれで止まります。気持ちの良い温度が大切で、ホカロンなどは温度が高くてお勧めできません。


胃腸に良い葛湯

 43度程度のお湯でしたらゴム製の氷枕が使えます。ゆたんぽ、ペットボトルなど身近にあるものを使って、胃とおなかを広く覆うようにしてください。飲み物はお砂糖が入った飲み物にすると腸からの吸収がよいです。スポーツドリンクなどもよいです。栄養代わりに昔から使う葛湯は胃腸を穏やかにします。胃腸に良い生姜入り葛湯、あるいは生姜湯はお店で売っています。 (つくり方:生姜をオロシでおろして、しぼり汁に砂糖を加えてお好みの濃さにお湯で調整してください。 )

 葛湯については、葛の代わりに家庭では片栗粉を代用しても良いです。

 おなかの痛みには熱さましの薬が効きます。葛湯が飲めるほどに回復したら、おかゆ、おじやとアップし、おかずは、やわらかいおかず、 たとえば、湯豆腐を選ぶことです。野菜は繊維の消化がよくないため、軟らかくなるように煮て、少量から始めてください。海苔、昆布は消化吸収が良くないですが少量は大丈夫です。

 美味しく食べて、体を動かして、心さわやかに 10月を過ごしましょう。