1. TOP
  2. いきいき365日

いきいき365日


ある整形外科医が経験した整形外科疾患

生協戸塚病院 整形外科医 山崎恒夫イメージ写真


2015年12月01日
 機関紙「医療生協かながわ」の2015年12月に載った記事を掲載しました。

骨折は超いた?い!
狭窄症は超つら?い!

?肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)
肩関節周囲炎のイメージ写真
 肩を支えている棘上筋(きょくじょうきん)・棘下筋(きょくかきん)・小円筋(しょうえんきん)・肩(けん)・甲下筋(こうかきん)の4つの筋肉から構成される腱板の炎症です。
 これまでAさんは、5?6回経験したそうです。具体的には物を持ち上げにくい、夜間痛くて目が覚める、寒い時期外出時に疼く、ズボンの後ろポケットから財布が取り出しにくい、卓球やテニスのスイングが出来ないためボール拾いしか出来ずストレスがたまる。女性ではエプロンが結びにくい、ブラジャーのホックが外しにくいなどの症状があります。
 特殊なものとして石灰沈着性肩腱板炎(せっかいちんちゃくせいかたけんばんえん)があります。この場合症状(痛みによる動きの制限)が強いです。
 治療としては、ステロイドの関節内注射が効果的です。

?腰椎横突起骨折(ようついおうとっきこっせつ)

 行きつけの居酒屋でしこたま飲んでマスターの奥さんに強く止めるように言われたにもかかわらず自転車で帰宅したBさん。
腰椎横突起骨折のイメージ写真  途中で転倒したらしく(?)アルコール麻酔が効いていて気がつかずに眠ったまでは良かったのですが、翌朝5時頃に激痛で目が覚めたそうです。
 からだの向きを変えることも出来ず、背中側の腰やや左側にこれまで経験したことのない激痛だったそうです。
 圧迫骨折ではなく、左横突起骨折と自己診断し何とか病院に行って痛み止めを注射してもらい外来診療したそうです。
 後日3次元CTで第2腰椎左横突起骨折と判明したとのことです。


橈骨神経麻のイメージ写真 ?橈骨神経麻(とうこつしんけいまひ)

 飲み会が終わり職場に泊まろうとしたCさんは、屋外のベンチの金属製の肘掛に左腕を置いて眠ってしまい眼が覚めると、左の手首や指を伸ばすことが出来ず、親指とひとさし指のあいだの背側の感覚も鈍く橈骨神経麻痺と診断。3週間くらいで直ったそうです。

 治療としては、ビタミンB2の内服や装具療法などがあります。







?腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)

 特に思い当たる原因無く両大腿後面の痛みが出現し筋肉痛かなーと思っていたDさんですが、その後右下肢の外側も痛くなり、急いで歩くことが出来なくなり坂道歩行がつらくなったそうです。

 腰部脊柱管狭窄症と診断、MRI検査を行い第4?5腰椎での狭窄がひどいことがわかりました。椎間板ヘルニアは自然に良くなるタイプもありますが、脊柱管狭窄症は椎間板の後方への突出や黄色靭帯(おうしょくじんたい)が肥厚することにより脊柱管が狭窄するためにさまざまな症状があり、徐々に悪化することが多いです。

腰部脊柱管狭窄症のイメージ写真  脊柱管狭窄症には馬尾型(ばびがた)・神経根型・混合型があります。よくある症状に下肢の痛みやしびれ、間欠性跛行(かんけつせいはこう)(歩行などで下肢のみ・しびれ・冷えを感じ一時休息することにより症状が軽減し、再び歩行が可能になる)などがあります。

 間欠性跛行は閉塞性動脈硬化症でもでる症状ですが、閉塞性動脈硬化症の場合自転車走行でも症状がでますが、脊柱管狭窄症では自転車走行は大丈夫です。

 薬物療法もありますが、Dさんは早くすっきりしたいので手術を受けたそうです。術後経過は良好で現在症状はまったくでていないそうです。

 これらの症状がある方は自己診断で片付けずに受診をお勧めします。

 早期に受診することで正確な診断と治療法が見つかり症状が改善します。