1. TOP
  2. いきいき365日

いきいき365日


「共謀罪」は何が問題か(下)

稲生弁護士 イメージ写真

2017年5月01日
 機関紙「医療生協かながわ」の2017年5月に載った記事を掲載しました。

3 監視社会を招く共謀罪と捜査方法

  1. 1) 警察は日常的に運動団体や労働組合を監視し(最近では大分県警が野党統一候補を支持する労働組合の事務所を盗撮していた事件)、尾行や違法な盗聴などによってその行動を把握しています。
     法務警察官僚の要請で改正された盗聴法(通信傍受法)は2016年12月1日から施行されました。盗聴可能になった犯罪は大幅に増え、財産犯の窃盗、強盗、詐欺、恐喝、更に殺人、傷害、傷害致死、現住建造物等への放火、逮捕、監禁、略取誘拐、児童ポルノなどに及びます。
     共謀罪ができれば、未だ犯罪の準備に当るかどうかさえ不明確な段階から、人々の「内心」が盗聴可能となります。法務警察官僚はほくそ笑むでしょう。

  2. 2) 携帯電話のGPS(全地球測位システム)機能を利用した位置情報は、警察が、利用者本人の知らないまま容易に取得できるようになっています(総務省2015・6・24ガイドライン)。
     警察庁は、都道府県警に「移動追跡装置運用要領」(2006年)というマニュアルを通達し、社会的危険性又は社会的反響が大きく、速やかに被疑者を検挙することが特に必要と認められる犯罪を対象として、GPSを利用できるとしています(赤旗。2017・2・20)。
     これは、憲法13条や35条が保障するプライバシーを侵害するものです。

  3. 3) 現在社会は、監視だらけで心が安まるどころではありません。

 他方で国に帰属する情報は特定秘密保護法を作って、一般市民にはアクセスをさせません(アクセスすれば刑罰を科されます)。
 こうした世の中で本当に良いのでしょうか。